最近のニュースで、消毒用のアルコールが不足するなか、神奈川県大和市が、ウイルスの除菌に効果がある次亜塩素酸水(じあえんそさんすい)の無料配布を27日から始めました。

 

そのニュースを見た人の多くは「次亜塩素酸水」とは?

 

と疑問におもった方が多かったんじゃないでしょうか。

実は私もその一人です(笑)

 

今回は、「次亜塩素酸水」とはいったいなんなのか調査しましたのでご紹介します。

 

次亜塩素酸水とは

次亜塩素酸水(じあえんそさんすい)とは、

厚生労働省が定めるものによると、専用の装置を使用し、食塩水(塩化ナトリウム水溶液)や塩酸水、あるいは塩酸塩化ナトリウムの混合液を電気分解することで生まれる次亜塩素酸(HClO)を主成分とする水溶液のことです。

別名「電解酸性水」ともいわれています。

 

この次亜塩素酸水は、電気分解での製法やpH値・有効塩素濃度が厚生労働省により定められており、

その違いにより大きく3つのタイプに分けられます。

それが「強酸性」・「弱酸性」・「微酸性」の次亜塩素酸水に分けられます。

 

強酸性次亜塩素酸水とは

0.2%以下の塩化ナトリウム水溶液を、隔膜がある電解槽(二室型または三室型)で電気分解し、陽極側から生成する。

 

弱酸性次亜塩素酸水とは

0.2%以下の塩化ナトリウム水溶液を、隔膜がある電解槽(二室型または三室型)で電気分解し、陽極側から生成する。

または陽極側から得られる水溶液に陰極側から得られる水溶液を加えて生成する。

 

微酸性次亜塩素酸水とは

塩酸または塩酸に塩化ナトリウム水溶液を加えた水溶液を、隔膜がない電解槽(一室型)で電気分解して生成する。

 

強酸性は、「強酸性電解水」として医療機器などの消毒 に使われたり、食品添加物の「殺菌料」として野菜や調理器具の消毒 なんかにも使われています。

また農業の分野では、2014年に特定防除資材(特定農薬)として使われたり、2017年には有機栽培資材として農林水産大臣と環境大臣から認可・指定を受けています。

つまり、次亜塩素酸水は「人体にとって安全である」 ことを公的に認められている水溶液なんです。

 

 

次亜塩素酸水の使用用途とは

・ウイルス対策

次亜塩素酸水は、ノロウイルスやインフルエンザウイルスの不活化に高い効果を示します。ウイルスが付着した場所にスプレーで噴射し、時間を空けて拭き取ることで対策を行うことはもちろん、衣服や食器などを次亜塩素酸水に浸けてウイルスを不活化することもできます。

・アレル物質の除去

ダニや花粉に含まれるアレルギー症状を引き起こす「アレル物質」の除去にも、次亜塩素酸水は高い効果を示します。アレル物質が付着した衣服や鞄、室内に噴霧(スプレー)する方法が効果的で、特に花粉症の人にとって見逃せないアイテムとなっています。

・家内の除菌と消臭

次亜塩素酸水には、さまざまな細菌を不活化する除菌効果もあります。

エレコムの「エクリア ゼロ」を使った実験では、いわゆる悪玉菌や生乾き臭菌、薬剤に耐性を持った菌などに対し、99%除菌という心強い結果が示されました。エクリア ゼロは、靴下のにおいや加齢臭(イソ吉草酸)、肉や魚の腐敗臭(トリメチルアミン)、生ゴミのにおい(硫化水素)、おむつやペットのにおい(メチルメルカプタン)についても、その臭気を99%減らす効果が認められています。

また次亜塩素酸水の消臭効果はトイレ掃除においても発揮されます、

便器や便座、床や壁などで臭いが気になる箇所へ次亜塩素酸水をスプレーすることで、トイレの臭いの原因を作り出す細菌を殺菌し、さらに臭いの原因となる物質そのものも臭わない物質に変化させてしまうため、強い消臭効果を得ることができます。

 

次亜塩素酸水は皮膚につけても大丈夫?

次亜塩素酸水は、皮膚につけても影響がありません。

なので、ドアノブや蛇口などの消毒はもちろん、直接手に振りかけての除菌にも使えます。

また超音波式の噴霧器を用いて次亜塩素酸水を室内に撒き、空間ごとウイルスを除菌するというような使い方も可能です。

 

次亜塩素酸水の選び方とは

さまざまな効果が知られるようになった次亜塩素酸水は、数多くの製品が出回っています。

商品名こそ同じ次亜塩素酸水であっても、本来の除菌・消臭効果を発揮しない物も存在しているのが現状です。ウェブサイトや店頭で次亜塩素酸水を選ぶときは、次のポイントをチェックするようにしましょう。

・成分や濃度、製造方法の表示

それぞれの成分(有効塩素)量を比べ、pHの濃度を見ると、除菌能力の強さを知ることができます。使用目的に合わせた濃度の次亜塩素酸水を選びましょう。

 

濃度400ppm(0.04%)の次亜塩素酸水(電解酸性水)

0.04%の次亜塩素酸水はこんな時につかえます。

  • ノロウイルス感染時の緊急除菌(吐瀉物や排泄物の処理時)
  • 風呂場のカビ取り
  • トイレの便器内清掃 

 

濃度200ppm(0.02%)の次亜塩素酸水(電解酸性水)

0.02%の次亜塩素酸水はこんな時につかえます。

  • 肉や魚を切った包丁やまな板、キッチン用ふきんの殺菌消毒
  • 台所のシンクや三角コーナーの殺菌消毒に
  • ゴミ箱の除菌または消臭に
  • エアコンの除菌・消臭に 

 

濃度100ppm(0.01%)の次亜塩素酸水

0.01%の次亜塩素酸水はこんな時につかえます。

  • 焼き肉パーティーをした後のカーテン消臭に
  • トイレ使用後の消臭に
  • タバコの臭いが気になる部屋の消臭に
  • 枕やシーツ、寝室の消臭に
  • 下駄箱や臭いが気になる靴の消臭に
  • 自動車車内の消臭に
  • ペットのトイレや寝床の消臭に 

 

濃度50ppm(0.005%)の次亜塩素酸水(電解酸性水)

人の体やペットへの使用、噴霧器(加湿器)による空間除菌に

  • 手洗い・うがい・口腔ケア用途
  • キッズ用品、子供がが遊ぶおもちゃの除菌に
  • ベビー用品、赤ちゃん用のほ乳瓶の除菌に
  • ペットのエサ容器の除菌に
  • 噴霧器(加湿器)に入れた空間除菌消臭に

 

次亜塩素酸水を購入する際の注意点 製造年月日、保存期間の表示

次亜塩素酸水は、除菌や消臭効果が期待できる反面

紫外線に当たると分解されてしまうため、遮光性のある容器に入れておく必要があります。

 

次亜塩素酸水は次亜塩素酸ナトリウムや他の除菌消臭剤と比較して寿命が短い点があります。

業務用で用いる強酸性次亜塩素酸水(強酸性電解水)は数日で効果を失ってしまうため、

保存して使うのではなく製造装置を購入し、基本的には掛け流しで用います。 

比較的寿命の長い微酸性次亜塩素酸水(微酸性電解水)を購入して用います。

適切に保存をすれば、未開封・未希釈状態で半年から1年程度の保管が可能です。

 

適切な保存方法

日光・紫外線が当たらないところで、暗くて涼しくて冷たい場所に保存する

日光・紫外線を遮断する入れ物に保存する

空気に触れると帰化するので完全密封のものに保存する

 

「次亜塩素酸水」と「次亜塩素酸ナトリウム」の違い

次亜塩素酸水は、よく「次亜塩素酸ナトリウム」と間違われることがあります。

次亜塩素酸ナトリウムの違いについて比較してみましょう、

 

次亜塩素酸水 次亜塩素酸ナトリウム
ノロウイルスに作用 死滅させる殺菌剤として有効 あまり有効ではない
メリット 皮膚につけても問題ない

口に入っても安全

消臭効果がある

B型肝炎ウイルス他の広範囲の微生物に有効。
残留性が低く、安全性が高い。
漂白、脱臭作用がある。
デメリット 有機物と接触するとすぐに反応して効果を失ってしまう

直射日光にあたっていると濃度が低下する

皮膚に直接つけると肌荒れする場合がある

人体や金属製品などに悪影響が出やすい

 

 

次亜塩素酸水は新型コロナウィルスにも効く?

効果はまだ定かではありませんが、次亜塩素酸水は殺菌力があるので、可能性は0ではないと思います。

 

また高杉製薬のHPにはこんな記載がありました。

以下引用

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、物の表面の消毒には次亜塩素酸ナトリウム、手など皮膚の消毒を行う場合には消毒用エタノールが有効であることが分かっています。

引用元:http://www.takasugi-seiyaku.co.jp/prdt/04_01.html

 

次亜塩素酸水には、明記されていませんが、期待しても良さそうですね。

 

まとめ

次亜塩素酸水とは殺菌力、安全性のある水溶液で濃度等によって大きく3つのタイプに別れます。

濃度が濃くなるほど殺菌効果が強くなります。

また、次亜塩素酸水は「人体にとって安全であり、皮膚などについても問題ありません」。 

その反面、耐久性が弱く、物質に触れたり、直射日光に当たるとなくなってしまう点があります。

 

以上が、次亜塩素酸水とはどういったものかの解説でした。

参考になりましたら幸いです。