結論から言うと、2025年の雇用保険改正によって「退職後にもらえるお金」が大きく増えました。
失業保険だけでなく、「教育」「再就職」「病気・メンタル」など多方面で給付金が受け取れるようになります。
知らないと数十万円~数百万円単位で損をする可能性があります。


雇用保険とは?

雇用保険は「働く人の生活を支える制度」です。
退職後の生活費支援や、再就職・スキルアップをサポートしてくれます。

加入条件

  • 週20時間以上の労働
  • 31日以上の雇用見込み
    上記を満たすと自動的に加入します。

雇用保険の5つのメリット

給付名内容支給条件
①失業保険退職後の生活支援退職理由によって支給期間が変化
②就職促進給付再就職を早めた人へのボーナス残り期間の1/3以上を残して就職
③教育訓練給付資格・スキルアップ支援講座費用の一部を国が補助
④雇用継続給付60歳以降の収入減少を補填前職より給与が下がった場合
⑤育児休業給付出産・育児中の生活支援育休期間中に支給

2025年4月の改正内容

① 給付制限期間が短縮

自己都合退職の人は、これまで
「退職→7日待機→2ヶ月の給付制限」でした。
改正後は 2ヶ月→1ヶ月に短縮!
つまり約1ヶ月早く失業保険がもらえます。

② 教育訓練講座を受講すれば「即支給」

離職後1年以内、または離職期間中に教育訓練を受けると、
7日間の待機後すぐに失業保険が支給されます。
スキルアップと生活支援を同時に受けられる画期的な制度です。


2025年10月の新制度「教育訓練休暇給付金」

新たに登場するのが 教育訓練休暇給付金
これは「会社を辞めずに、勉強のために休む人」を支援する制度です。

対象

  • 雇用保険の加入期間が5年以上
  • 教育訓練のために30日以上の休暇を取得

給付内容

  • 支給額は 失業保険と同額(約60%)
  • 支給期間は加入期間に応じて変動

つまり、「会社に在籍したまま給料の代わりに給付金をもらって勉強」が可能になります。


「絶対退職したい人」向けの制度:傷病手当金

「勉強はいいから、とにかく退職したい」
そんな方に知ってほしいのが 傷病手当金 です。

仕組み

病気やケガで働けない間、健康保険から給料の約65%が最長18ヶ月支給されます。

具体例

月給30万円の人なら、
19万5,000円 × 18ヶ月 = 約351万円支給!

失業保険よりも3倍以上の支給額になるケースもあります。


対象となる人が多い理由

「自分は病気じゃない」と思っている人も、実は対象になる可能性があります。

対象になる症状例

  • 慢性的な肩こり、体のだるさ
  • 睡眠障害(眠れない・早朝に目が覚める)
  • 動悸、めまい、飲酒量の増加

これらの症状でも医師が「働けない状態」と診断すれば給付対象です。
退職後でも、診断書があれば申請可能です。


傷病手当金の受給条件

条件内容
① 保険加入期間退職前に1年以上継続して加入している
② 受給状態退職日に傷病手当を受給中、または受給できる状態にある
③ 就労状況退職後に働いていないこと
④ 医師の診断書「働けない状態」と証明できる診断が必要

申請のポイント

  • 診断書をもらう病院選びが重要
    経験豊富な医師ならスムーズに発行してもらえます。
    オンライン診療対応のクリニックも増えています。
  • 退職前に申請準備をしておく
    退職日以降に準備を始めると受給が遅れる場合があります。
  • 働かない期間をしっかり空ける
    アルバイトや副業をすると支給停止になる可能性があります。

退職後にもらえる主な手当まとめ

名称支給元支給額の目安最大期間特徴
失業保険雇用保険月給の約60%最大330日退職理由で期間が変化
就職促進給付雇用保険残日数の60〜70%一括支給早期就職でボーナス
教育訓練給付雇用保険講座費用の20〜70%講座期間中資格取得を支援
教育訓練休暇給付金(新)雇用保険月給の約60%最大1年勤務しながら勉強可能
傷病手当金健康保険月給の約65%最大18ヶ月退職後も支給可

会社都合で退職、失業保険受給について

会社都合での退職後の失業保険受給について説明します。

基本的な受給条件

会社都合退職の場合、以下の条件を満たせば失業保険(雇用保険の基本手当)の受給資格があります:

  • 離職前2年間に雇用保険加入期間が通算12ヶ月以上
  • 求職活動を行っている
  • 就職の意思と能力がある

1ヶ月後の再就職の場合

失業保険の受給は困難ですが、以下の選択肢があります:

1. 再就職手当の対象となる可能性

  • 失業保険の受給手続きを行い、待機期間(7日間)後に早期に再就職した場合
  • 再就職手当として失業保険の50-70%程度を一括受給できる場合があります

2. 失業保険を受給する場合の条件

  • 1ヶ月間は実際に求職活動を行う
  • 再就職先が確定していない状態でハローワークに申請
  • この期間中に失業認定を受ける必要があります

ブログやyoutubeなどの副収入が入る場合失業保険はもらえる?

ブログやYouTubeなどの副収入がある場合の失業保険受給について説明します。

基本的な考え方

副収入があっても条件次第で失業保険は受給可能ですが、収入額や労働時間によって扱いが変わります。

受給可能なケース

1. 内職・軽微な収入の場合

  • 1日4時間未満かつ週20時間未満の活動
  • 日額2,000円未満程度の収入
  • この場合は「内職」として扱われ、失業保険受給に影響しません

2. 一定額以下の副収入

  • 日額2,000円以上でも、失業保険の基本手当日額を超えない範囲であれば、その分が減額されて支給されます。

副収入があっても失業保険受給は可能ですが、活動内容と収入額の申告が必須です。ハローワークで事前に相談し、正確な申告を行うことが重要です。

注意が必要なケース

1. 「就労」と判定される場合

以下に該当すると「就労」とみなされ、その日の失業保険は支給停止:

  • 1日4時間以上の活動
  • 継続的・安定的な収入がある
  • 事業的な規模での活動

2. YouTubeやブログの場合の判定基準

  • 動画制作・編集時間が長時間に及ぶ場合
  • 広告収入が安定して高額な場合
  • 企業案件などで定期的な収入がある場合

重要な手続き

1. 申告義務

  • 必ずハローワークに申告が必要
  • 失業認定申告書に収入を正確に記載
  • 隠した場合は不正受給となり、3倍返還の可能性

2. 事前相談

  • 活動開始前にハローワークで相談
  • 個別のケースで判定が異なるため

重要なポイント

  • 再就職が既に決まっている場合、失業状態とは認められないため、基本的に失業保険は受給できません
  • ハローワークで詳しい相談をすることをお勧めします
  • 会社都合退職の場合、給付制限期間がないため、手続きが早ければ受給開始も早くなります

具体的な手続きや最新の制度については、最寄りのハローワークで確認されることをお勧めします。

まとめ(PREP法)

結論:
2025年の雇用保険改正で「退職後にもらえるお金」は大幅に増えました。

理由:
給付制限が短縮され、教育や療養中にも給付が受けられるからです。

具体例:

  • 自己都合退職でも1ヶ月で失業保険スタート
  • 教育訓練で即支給も可能
  • 傷病手当金で最大351万円の支援

結論:
退職を考えている人は、「どの制度を使えるか」を知るだけで生活の安定度が全く違います。
ハローワークや社会保険労務士に早めに相談し、最も有利な制度を活用しましょう。